日本画家 斉藤和 の 作品語り。

京都から世界へ。 1960年京都府生まれの日本画家、斉藤和のぶろぐです。 美しいとは、を日々模索です。   http://www.saitoukazu.com

花語り。

作品が仕上がった今日、近畿でも何年振りかの春一番が吹きわたった。

三寒四温ののちに桜の季節も必ずやってくる。

 

わたしの子供の頃の記憶には桜はない。

春の訪れは梅の花の咲く春の川が、その一番だ。

それでもいつの間にか、満開の桜が私の春になっている。

親になって、入学式や新学期、その繰り返しが春の色を変えてくれた。

 

画中に点景に近く、二人のシルエットを配した絵を描くことも多い。

描く作品によって、親子になったり、恋人たちや夫婦になったりする。

最初にこの二人を登場させたときは、

少女の姿をした私と父だった。

 

「この二人は恋人同士ですか?」

「はい。」

 

「この二人は親子ですか?」

「はい。」

 

よく訊かれるけれども、私はいつも「はい。」と答える。

それが本当だから。

 

 

花語り。(取材地:京都・北嵯峨)

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