日本画家 斉藤和 の 作品語り。

京都から世界へ。 1960年京都府生まれの日本画家、斉藤和のぶろぐです。 美しいとは、を日々模索です。   http://www.saitoukazu.com

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

花細工。

桜の季節、まだ肌寒い富山なのに、 まちかねたとばかりに、夜の松川沿いは花見の酔客であふれています。 昼間の桜も艶っぽい表情をしていましたが、 夜が更けるとともに酔っ払いの歓声や酒、屋台のにおいにいろどられ、 月の灯りに照らされて、 誰もが花の季…

風語り。

富山県魚津市の海岸では、気候条件が整えば蜃気楼に出会えます。 蜃気楼がでるとお知らせが流れる、と近所の方はノンビリかまえています。 遅い昼食がてら立ち寄った、海の駅・蜃気楼はあいにく定休日でしたが、 広い駐車場の海岸べりはカメラと人でいっぱい…

夕映す。

何気なく後ろを振り向いた私の前にあらわれた、 まるで臥竜のような山並みに目を奪われ、 思わず車を止めてもらいスケッチをした。 最初はむしろモノトーンの世界が私をつつんでいたが、 ふと後ろに目をやると、オレンジとピンクに揺らぐ夕日が浮かんでいた…

月の袂に。

私が月を描く時の多くは、とても現実的とは思えない大きさで月を描いています。 多分、物理的な距離よりも、 私にとっては今そこにある月は毎日毎日会っていて、反比例するくらい近いのだと思います。 それに、ウサギが餅つきをしたり、かぐや姫が帰って行っ…

いざない。

ここは、富山県中新川郡上市町にある「おおかみこどもの花の家」です。 花の家は、アニメ映画「おおかみこどもの雨と雪」の主人公「花」とその家族が暮らす家のモデルの古民家です。 ロケハンをしていた細田監督が惚れ込んだ情景だったそうです。 高木正勝さ…

雪の里。

富山県小矢部市のクロスランドタワー展望台にのぼり、初めて砺波散居村の雪景を見た時には、その日の疲れが吹き飛んだ。 眼下に拡がる線で構成されたようなパノラマに夢中でシャッターを押し続けた。 好きな写真も沢山撮れたし、その感動は今でもはっきり思…

星鏡。

河口って不思議な場所な気がします。 淡水でもなく海水でもなく、あいまいにあちらとこちらを結ぶのです。 河口という名も面白いです。 高い山から海へそそぐ水を中心に考えると、物理的にはお尻の方がピタッときますが、 竜のように川を捉え、魚を飲み込む…

待つ。

格子戸の旅籠や土蔵造りの民家が並ぶ、旅情深い道を通っていたら、 突然何も無い空間があらわれました。 あとで調べると、石垣で構成された町なので、 棚田のようになっていて、家の無い場所は階段だったり抜け道だったりします。 妙に心ひかれた、この場所…

星月夜。

生家は丹後の農家だったので、田植えや稲刈り、葉煙草の収穫など、人手の必要なことが多く、 家族総出なので、なんの戦力にもならないうちから田畑にくりだします。 小学校に通う頃には、帰宅しても誰もいないことが多かったので、 友達と遊びまわる以外は、…

里の道。

北陸では珍しい臨済宗のお寺、臨済宗国泰寺派大本山・摩頂山国泰寺の取材の帰りに偶然通りがかった場所です。 竹林に囲まれた、ここ西田は筍の名産地です。 京都嵯峨野や京都芸大のある大枝も筍の名産地なので とても身近な感じだったのですが、 古刹の余韻…