日本画家 斉藤和 の 作品語り。

京都から世界へ。 1960年京都府生まれの日本画家、斉藤和のぶろぐです。 美しいとは、を日々模索です。   http://www.saitoukazu.com

2014-01-01から1年間の記事一覧

桜。

車折神社(京都市右京区)の枝垂れ桜「渓仙櫻」です。 画人でもあり宮司でもあった富田渓仙の名からきています。 ここ車折神社は芸能の神として多く信仰を集めています。 境内には芸能に携わる人の名があちこちに並びます。 納められたお礼石や舞い扇などにも…

山葵。

貴重ないただきものの天城の山葵。 かねてからの懸案だった、木版画のプレス感具現の第一枚目として スタートです。 具体的な終着点が全く見えていない中での見切り発車なので、 どこが木版画?・ですが、 猛烈に流行した、江戸時代の人たちや 浮世絵版画に…

星映す。

飛鳥は私のなかでは人が人として歴史を刻みだした場所です。 人はおおいに神仏と交信し、 またそことの距離を物理的な距離に換算し形而上学的距離をすりこみ、 人として地を這いまわることとなりました。 巨大な白い羽をつけることはなくなり、 人は規則を必…

化粧。

桜は、 私の中では花のイメージの象徴です。 一年に一度、短い間だけれど、心高揚させてくれる花の時期はもちろんですが、 新緑の葉桜や果実、秋の紅葉、冬木立、 すべてがとても象徴的です。 富山市安養坊他の呉羽山に登って南面すると、 市街地の向こうに…

天翔る。

ある方との出会いから源義経に深く興味を抱き、 色々の資料を探し、史実もそうでないも、 どんどん義経が身近に感じられるようになってきました。 かつて「源氏物語を歩く」というサブタイトルで 光源氏が物語をくりひろげた舞台を描き集めた個展をしたこと…

花の音。

無音と感じる空間で目を閉じてみる。 わずかな風の移ろいが 少しだけ指先をふるわせる。 きっとおのれの手の届くどこかにあるのだろう仏国も この指先ととけあっているのだろう。 一瞬のおとずれは もう準備が始まっているにちがいない。 ちりちりとでも無音…

花細工。

桜の季節、まだ肌寒い富山なのに、 まちかねたとばかりに、夜の松川沿いは花見の酔客であふれています。 昼間の桜も艶っぽい表情をしていましたが、 夜が更けるとともに酔っ払いの歓声や酒、屋台のにおいにいろどられ、 月の灯りに照らされて、 誰もが花の季…

風語り。

富山県魚津市の海岸では、気候条件が整えば蜃気楼に出会えます。 蜃気楼がでるとお知らせが流れる、と近所の方はノンビリかまえています。 遅い昼食がてら立ち寄った、海の駅・蜃気楼はあいにく定休日でしたが、 広い駐車場の海岸べりはカメラと人でいっぱい…

夕映す。

何気なく後ろを振り向いた私の前にあらわれた、 まるで臥竜のような山並みに目を奪われ、 思わず車を止めてもらいスケッチをした。 最初はむしろモノトーンの世界が私をつつんでいたが、 ふと後ろに目をやると、オレンジとピンクに揺らぐ夕日が浮かんでいた…

月の袂に。

私が月を描く時の多くは、とても現実的とは思えない大きさで月を描いています。 多分、物理的な距離よりも、 私にとっては今そこにある月は毎日毎日会っていて、反比例するくらい近いのだと思います。 それに、ウサギが餅つきをしたり、かぐや姫が帰って行っ…

いざない。

ここは、富山県中新川郡上市町にある「おおかみこどもの花の家」です。 花の家は、アニメ映画「おおかみこどもの雨と雪」の主人公「花」とその家族が暮らす家のモデルの古民家です。 ロケハンをしていた細田監督が惚れ込んだ情景だったそうです。 高木正勝さ…

雪の里。

富山県小矢部市のクロスランドタワー展望台にのぼり、初めて砺波散居村の雪景を見た時には、その日の疲れが吹き飛んだ。 眼下に拡がる線で構成されたようなパノラマに夢中でシャッターを押し続けた。 好きな写真も沢山撮れたし、その感動は今でもはっきり思…

星鏡。

河口って不思議な場所な気がします。 淡水でもなく海水でもなく、あいまいにあちらとこちらを結ぶのです。 河口という名も面白いです。 高い山から海へそそぐ水を中心に考えると、物理的にはお尻の方がピタッときますが、 竜のように川を捉え、魚を飲み込む…

待つ。

格子戸の旅籠や土蔵造りの民家が並ぶ、旅情深い道を通っていたら、 突然何も無い空間があらわれました。 あとで調べると、石垣で構成された町なので、 棚田のようになっていて、家の無い場所は階段だったり抜け道だったりします。 妙に心ひかれた、この場所…

星月夜。

生家は丹後の農家だったので、田植えや稲刈り、葉煙草の収穫など、人手の必要なことが多く、 家族総出なので、なんの戦力にもならないうちから田畑にくりだします。 小学校に通う頃には、帰宅しても誰もいないことが多かったので、 友達と遊びまわる以外は、…

里の道。

北陸では珍しい臨済宗のお寺、臨済宗国泰寺派大本山・摩頂山国泰寺の取材の帰りに偶然通りがかった場所です。 竹林に囲まれた、ここ西田は筍の名産地です。 京都嵯峨野や京都芸大のある大枝も筍の名産地なので とても身近な感じだったのですが、 古刹の余韻…

潮。

富山県で最初に訪れたのは雨晴海岸です。 ある方がきっかけで、源義経を深く知りたくなり、 けっして歴史の主役でもないのに、今でも語り続けられる、この稀代のヒーローの歩いた道筋を私も歩きたくなったからだ。 吹雪を避けるためだけでもなく義経岩にはい…

私語く。

山の上から海を見おろす。 私の幼児体験です。 墓参りや日常の遊びで、家の前の小山からはるかの海をながめるのが大好きでした。 木の実を食べにも、よく山にはいりました。 赤や黒の実の甘酸っぱい味は、いまでも私の幼心をうちます。 数か月前墓参りに行っ…

道の先。

ここは、「おおかみこどもの花の家」の取材後に迷い込んだ道です。 桜の時期でしたが、まだ雪がのこっていました。 水分を多く含んだ空気の中で、植物がいきいきと暮らしていました。 場所はちがっても、子供のころに雪投げをしたりして走り回った道そのもの…

旅立ちの朝。

早朝の駅に立つ時、 これからの期待に目の前の風景は色をなくして 人気の少ない濃い空気が空だけを明るく感じさせてくれる。 一歩また一歩と歩く、その始まりは期待感につつまれ 遠い先ははるかに見えなくても あそこにあることだけは確かなのだ。 とにかく…

風の記憶。

わたしは磯や浜で探し物をするのが大好きです。 遠い夢のさがしものです。 ここ、ヒスイ海岸ではヒスイを探しました。 最初はヒスイがどんなかたちであるのかわからなかったので時間がかかりましたが、 かなり大きなものも含め沢山見つけました。意外でした…

水の星。

太古の自然がそのまま残る「杉沢の沢スギ(富山県下新川郡入善町)」。 すぐそばに富山湾が広がり、立山連峰がたちあがります。 残されたその場所には湧水がながれ あきらかに空気がかわります。 時間の流れがかわります。 Nature of ancient remains intact "…

はじめまして。

少しづつですが、新作を発表させていただきます。 何か書けるときにはコメントもそえれればなあ、と。 It is little by little, but is happy to announce a new product. Comments also, I wish if accompanied when you write something. 「里の花」 取材地…